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次に観光期のパークアンドバスライトシステムの導入についてみますと、金沢市への年刊観光入れ込み客数は約600万人であり、とくにGW期間になるとマイカー利用の来訪者が北陸自動車道の東西両I.C.等から1日当り約25千台が市内に入っており、兼六園等の周辺ではマイカーに起因した渋滞が発生したため、I.C.から兼六園まで片道2時間以上かかるケースもみられたことから、その対応としてインターチェンジ付近に臨時の駐車場を設け、自動車からバスに乗換え兼六園までシャトルバスを運行するという計画を県・市・県警・バス事業者等で構成する協議会で提案し、昭和63年に西I.C.周辺に約700台収容可能な駐車場と臨時のバスレーンを設け、兼六園を結ぶシャトルバス(すいすい号という愛称)を5分間隔で試行実験をしました。結果は良く、渋滞が解消できるということとなり、バスもマイカーも通常の30分で兼六園に行くことが可能となり、所要時間が90分短縮されたことにより利用者の反応も良く、平成元年から本格的に実施し、平成3年には東I.C.からも利用できるよう650台収容の駐車場を整備し、両I.C.で1,350台の利用が可能となりました。今年も5月4・5日の両日運行しましたが、2日間の利用者は5,018人、マイカー1台当り千円の管理費を頂戴することにして、2日間の主要経費は1,800万円は県と市で折半するととしました。私は観光時のパークアンドバスライドが成功したとの認識を持ち、これを通勤時に活用したいと考え、平成4年と5年の2か年に亘り大規模な試行実験を行いました。平成4年の試行は、実験に参加するマイカー通勤者(モニター)の確保が充分ではなく、南部と北部方面でモニター700人の確保を目標にしましたが、50%の利用率に止まり、混雑状況にも大きな変化がみられず、導入効果の検証が十分にできず失敗に終わりました。失敗の原因を分析し、翌年度再試行しました。平成5年度の試行にあたりモニターの増加に努め、南部方面で千人を目標にし、都心の事業者・町内会・住宅団地等へのPRを推進し980人のモニターを確保しました。1回目の試行時は南部と北部でしたが、今回は南部のみで駐車場は4箇所に分散し配置することにより、利便性の向上に資することにしました。バスは朝の通勤時に5〜10分間隔で都心へノンストップで運行させました。試行の結果、モニターの約7割の700人の参加があり、主要交差点での交通渋滞を定量的に検証することができました。また、バスを利用した人達の約6割が実施したら利用するという意向もあり、再試行は成功したと思っています。平成6・7年の2か年をかけ、本格導入に向け検討し、平成8年11月からパイロットシステムを先駆的に実施する予定でいます。現在、関係機関と調整を進めています。試行実験は郊外にある公共施設の駐車場を臨時に活用しましたが、11月にはパイロットシステムの導入に際しての駐車場はウィークデーのショッピングセンターの駐車場が空いていることに着目し、郊外の2つのショッピングセンターの駐車場を借用し活用することとしました。収容台数は僅か100台程度ですが、一応確保の目処をつけました。システム利用者は駐車料金の代わりに商品券を月5千円を購入してもらい、駐車場でマイカーを乗り捨て最寄りのバス停から都心への路線バスに乗車し通勤をすることにしています。商業施設・既存施設の有効利用をめざしているとご理解頂きたいと思っています。
次に快速バスの導入についてですが、平成6年度にマイカー通勤からの転換等、利用増加策として快速バスが提案されました。郊外部の利用者は早く着きたい、都心に近い方になると混雑を無くして欲しいということで、この要望に同時に応えるため、通勤時間帯に7本、乗車密度が高

 

 

 

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